コンクリートの水路・用水路の変状は、併用年数、施設構造、地域特性、水利用形態などにより変状の内容や形状・発生部位、変状の進行過程が異なります。
初期欠陥
初期欠陥は施工時あるいは竣工直後に発生したひび割れや豆板、コールドジョイントなど、主として不適切な施工に起因する変状です。
劣化
劣化は、摩耗、凍害、アルカリシリカ反応、化学的侵食、中性化、塩害に大別され、これを劣化機構と称します。
コンクリートの水路・用水路に最も特徴的な劣化機構は摩耗です。
損傷
損傷は、地震や衝突など偶発的な外力、又は過荷重や不同沈下など水路使用環境の変化等により発生します。
コンクリート部の損傷は偶発的な外力等が取り除かれれば、その後、進展することはないが、初期欠陥と同様に鉄筋腐食等の劣化を進める原因となることについて留意する必要があります。
目地の損傷が生じると目地部より漏水が発生し、その漏水により周辺地盤の湿潤化や土砂流出により不同沈下を引き起こします。
この結果、更に目地の損傷が進展することになります。