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漏水・遊離石灰

遊離石灰とエフロレッセンスの違い

 「遊離石灰」と「エフロレッセンス」、コンクリートに携わる方はよく耳にする単語だと思います。
 そしてこの二つの単語はコンクリート構造物の表面に白い成分が析出すること、という同じ意味合いとして使われていることが多いです。

 しかし厳密に言えばそれは誤りです。
 まずは「遊離石灰」と「エフロレッセンス」の意味の違いから説明します。

【遊離石灰】
 遊離石灰は析出した成分そのものを指します。コンクリートは水和反応により水酸化カルシウムCa(OH)₂となり硬化します。しかし水和反応を起こさずにコンクリート中に残ってしまう酸化カルシウムCaOなどの成分を遊離石灰と言います。

 そのため遊離石灰はコンクリート表面に析出しなくてもコンクリート内部に存在していることになり、「遊離石灰が起こる」は誤った表現となります。

【エフロレッセンス】
 エフロレッセンスはコンクリート表面に析出する現象のことを指します。
そのため「エフロレッセンスによって遊離石灰など成分が析出する」は正しい表現となります。

ここから先はエフロレッセンスという現象について詳しく説明します。 

エフロレッセンスとは

 エフロレッセンスは「白華」、「エフロ」とも呼ばれ、コンクリートの表面で、水に溶けた成分が析出し目に見える形になる現象です。

 エフロレッセンスの主成分は炭酸カルシウムCaCO₃で構成されています。
コンクリート中に含まれる水酸化カルシウムCa(OH)₂が水に溶け移動し、表面で空気中の二酸化炭素CO₂と反応して炭酸カルシウムCaCO₃が生成され、白色のエフロレッセンスが発生します。
 発生は、冬季に発生しやすいとされています。
 夏季は高温のため水分がコンクリート表面に移動する前に蒸発するので発生しにくくなります。逆に冬季は低温で水が蒸発しにくくなります。
 同じ理由で雨や雪、梅雨など湿度が高い状態が続くと発生しやすいとされています。

一次エフロレッセンスと二次エフロレッセンス

 エフロレッセンスには「一次エフロレッセンス」と「二次エフロレッセンス」に分けられます。

【一次エフロレッセンス】
 コンクリートに含まれる水分が余剰水としてコンクリート表面で蒸発するため比較的早期に生成され、その結果一面が白く見えることが多くなります。

【二次エフロレッセンス】
 雨水、地下水、養生水など外部の水がコンクリート内部に侵入した後表面に移動し生成するもので、水の移動が容易なひび割れやその周辺で、局部的に発生することが多いです。
 コンクリートの調査を行う時は二次エフロレッセンスがひび割れや漏水を判断する一つの要素となります。

表面に析出したエフロレッセンス
鉄筋腐食を伴うエフロレッセンス

コンクリートに与える影響

 エフロレッセンスは構造物の美観・景観を損ねますが、エフロレッセンスそのものが構造物の性能に悪影響を与えることはありません
 しかしながら、ひび割れからエフロレッセンスが大量に発生していたり、茶色に変色している場合はひび割れからの漏水や内部鉄筋が腐食している可能性があるため注意が必要となります。

エフロレッセンスの防止方法

 一次エフロレッセンスはコンクリートの余剰水が、また二次エフロレッセンスでは外部の水が浸入することが原因となります。
 そのため、配合計画ではできるだけ水セメント比を小さくし、単位水量を少なくしたコンクリートを用いることが重要となります。その結果、余剰水を減らすことができ、外部水の侵入を防ぐことにも繋がるため、エフロレッセンスの生成を防ぐことができます。
 また、施工においては十分な締固めを行い養生剤を用いて打設面を健全に仕上げることが重要となります。

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補修方法

 エフロレッセンスを伴うひび割れを補修する場合、そのひび割れからは漏水している可能性が考えられます。
 漏水があるひび割れに対し、表層のみのひび割れ補修を行うと、内部で水分が滞水し、内部鉄筋の腐食が進行してひび割れが再発してしまう恐れがあります。
 漏水の可能性がある場合は、注入工法によってひび割れ内部まで水分供給の遮断、鉄筋の保護をする必要があります。
 さらに、ASR(アルカリ骨材反応)も発生している場合は亜硝酸リチウムを用いた注入工法でASRによる膨張を抑えつつ、ひび割れを補修することが望ましいと考えられます。

 

私たちはコンクリート構造物の補修において、様々な状況や変状に最適な補修方法のご提案が可能です。

詳しくは補修方法のページでご紹介しますのでご覧ください。 補修詳細ページへ >>>