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遅延型エトリンガイト(DEF)の生成によるひびわれ

コンクリート製品であるブロックが膨張

 コンクリート二次製品など製造後数年で、無数の細かなマイクロクラックが発生することがあります。 膨張によるコンクリートの損傷なので、ASRに似た劣化症状を確認することが多い。

 コンクリートから粉末試料を採取して、Ⅹ回析装置による分析結果を見てみると、 エトリンガイトと二水石膏が検出されることがある。 このことから、コンクリートが硬化後においてエトリンガイトを生成し、その際の体積膨張によりコンクリートが異常膨張を生じている可能性があることが事例で発表されています。

二次製品による床版コンクリートと護岸ブロック

 ASRとDEFはどちらも膨張ひび割れによる劣化現象であり、コンクリートに発生したひび割れの外観から両者を区別することは難しい。コンクリートの薄片試料を採取し偏光顕微鏡を用いて観察をすると、DEFでは、骨材境界面とセメントペースト硬化体の間に網目状のひび割れが確認でき、エトリンガイトが生成されていることが識別できるので、組織観察が有効であると思われる。セメントペースト硬化体の組織全体に微細なひび割れが存在していることからコンクリート全体に膨張ひび割れが発生する特徴があります。
DEFに対してASRによる劣化では、骨材自身にひび割れが発生し、ASRゲルが生成され、そのゲルが吸水することで膨張し骨材からのひび割れが放射状に発生進展する特徴があります。

 DEFはコンクリート二次製品の異常膨張はコンクリートが硬化した後にエトリンガイトが遅延して生成したことが原因であると考えられる。異常膨張を生じたコンクリート二次製品はいずれも蒸気養生を行っていることがあります。
一般的な工場製品の蒸気養生はコンクリートにひび割れやはく離,変形等を生じさせないように打設後 2~3時間の前養生時間の確保,20℃/h の昇温速度,最高温度 65℃等 に定めていることが多い。

 コンクリート二次製品の膨張劣化現象は海外において報告されているDEF(DelayedEttringite Formation)であると考えられる。DEFはセメント中に含まれる硫酸塩によりコンクリートが劣化する現象であり、蒸気養生温度等の影響を受けることが海外において報告されています。

 我が国においても今後注意が必要です。また、石灰石界面において硫酸塩が濃集していることから、コンクリート中における石灰石の反応性についても検討する必要です。

 今後は、新設構造物ではASRやDEFを発生させないため対策として、アルカリ量を減らしたセメントを使用や、フライアッシュセメントを使用したコンクリートを使用することによりひび割れ発生の低減に繋がると思われます。