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コンクリートの中性化

コンクリートの中性化とは

 コンクリートの中性化とは大気中の二酸化炭素がコンクリート内に侵入し、本来強アルカリ性であるコンクリートが中性に近づく現象です。
 中性化が進行することにより鉄筋の不動態皮膜が破壊され鉄筋の腐食が進行します。

 中性化の劣化因子として二酸化炭素を重視するのは、主にコンクリート中の鉄筋位置まで中性化領域が進行するまでの期間です。中性化領域が鉄筋位置(例えば中性化残り10mm)まで進行し、鉄筋腐食環境が形成(不動態被膜が破壊)されてしまった後は、実際に鉄筋を腐食させる水分と酸素が主たる劣化因子となります。すなわち、まだ鉄筋位置まで中性化が進行する前の段階であれば、対策工に要求される性能は「劣化因子(二酸化炭素)の遮断」となります。また、既に鉄筋位置まで中性化した後でも鉄筋腐食がまだ進行していない段階であれば、対策工に要求される性能は「劣化因子(水分、酸素)の遮断」とすることができます。しかし、コンクリートにひび割れや錆汁の滲出、はく離・はく落などが生じている場合には、既に鉄筋腐食が進行していることを示していますので、この段階で選定すべき対策工は「鉄筋腐食の抑制」を主たる要求性能とすべきです。また、劣化の程度や環境条件に応じて「劣化因子(水分、酸素、二酸化炭素)の遮断」や「劣化因子(二酸化炭素)の除去」などの要求性能を組み合わせることが重要です。