表面含浸工法とは
表面含浸工法は、コンクリート表面に含浸材を塗布することによって、コンクリート表層部の組織の改質、コンクリート表層部への特殊な機能の付与などを実現させ、構造物の耐久性を向上させる工法です。
表面含浸工法のメリット
表面含浸工法のメリットとして、以下の5点が挙げられます。
- 施工が簡単で短期間で行える
- 比較的安価
- 外観がほとんど変わらないため、施工後も目視による点検が可能
- 紫外線による劣化を受けにくい
- 施工の際に発生する産業廃棄物の量が少ない
表面含浸工法が適用される場面
表面含浸工法は、一般的に構造物の劣化が進行する前の予防保全としての使用が有効とされています。劣化が進行している場合は効果が期待できないため「表面被覆工法」、または「断面修復工法」が望ましいです。
表面含浸工法は、以下のような目的での使用が有効と考えられます。
- ■劣化が予測される箇所での劣化因子の侵入抑制
- ■塩害、凍害、中性化、ASR(アルカリ骨材反応)における劣化初期(潜伏期)での補修
- ■断面修復工法後の再劣化防止
含浸材の種類
含浸材は、様々な種類が存在します。その中で一般的な分類とその特徴を紹介します。
種 類 | 特 徴 |
シラン・シロキサン系 |
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固化型 ケイ酸塩系表面含浸材 |
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反応型 ケイ酸塩系表面含浸材 |
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その他 |
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含浸材の選定
本ページでは含浸材の一般的な特徴を解説しましたが、実際は同じ種類の含浸材でもメーカーや製品によって大きく性能が異なります。製品により浸透深さでは数ミリ~数十ミリ、耐久性では数年~数十年、程度の差があります。
シラン・シロキサン系含浸材でも表面に被膜を形成し中性化の抑制機能を付与する製品や、ケイ酸塩系含浸材でも防水機能を付与する製品もあります。
含浸材を検討する場合は、製品ごとに性能を確認し、補修の目的に合わせた含浸材の選定、使い分けが重要です。