化学的腐食とは コンクリート構造物のセメントペーストは高アルカリ性(pH12~13)なので、酸には弱いのです。外部から二酸化炭素や塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、酢酸などの有機酸などの浸入により、コンクリート内部の水和物の分解・反応生成物の溶出・反応に伴う膨張などによってコンクリート自体の耐力の低下、ひび割れの発生、溶解・剥落が生じる現象です。 さらに化学的腐食がコンクリート内部の鉄筋部分にまで達すると、コンクリートの鉄筋保護能力が失われることになります。 土壌などから浸入した硫酸分がコンクリートの成分と作用して硫酸塩を生成し、その結晶成長圧などにより、表層の剥離(スケーリング)を生ずることがあります。 補 修・補 強 化学腐食を受けたコンクリート構造物の補修・補強工事を行う場合、適切な補修材や工法を選定するため、腐食性物質を同定し、劣化の進行程度を調査・診断する必要があります。 また、補修・補強工事は通常、下地処理・鉄筋防錆処理・鉄筋追加挿入(補強の必要な場合)・断面修復・不陸修正および表面処理の工程に分けられます。